兵馬俑(へいばよう)とは、古代中国の秦・漢帝国の時代、死者を埋葬する際に一緒に埋葬された兵士や馬をかたどったつくりものです。
始皇帝のお墓からは兵士の姿をした成人男性の俑だけでも、8000体近く出土しているのですよ。
想像を絶するとはまさにこのようなことではないでしょうか。
しかも、それぞれ1体ずつ違っており、同じものを何体も作成しているのではないのです。
実際に存在していた人や馬が、命ある姿のままであるかのようです。
大きさといい、表情といい、普通の人形としてのつくり物とは明らかに違います。
まさしく、魂が宿っていると言っても過言ではありません。
兵馬俑の中には 目が光る などという俑もいるのではないでしょうか。
私は今から20年程前、「兵馬俑と秦・漢帝国の至宝展」という展覧会に行きまして、本物の兵馬俑とご対面したことがあります。
それはそれは、独特な神秘さとなんとも言えない秘密めいたオーラをまとっており、2000年以上前につくられたとは思えないほどの精巧なお姿でした。
階級や役割・立ち姿・片膝姿・髪型・表情・衣装・手にしているものなど、どこまでも緻密なのです。
本当は、兵馬俑である彼らには魂が宿っていて、逆に私達こちら側を観察しているかのような錯覚さえしました。
なぜなら、彼らには使命があるからです。
もともと、人形というものには役割と祈りが込められています。日本では、桃の節句のお雛様、端午の節句の兜や武将姿のお人形などが分かりやすいですね。
子供の成長や健康を祈る。
同じく兵馬俑には、死してなお皇帝をお守りする使命。
夢枕獏 著『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』という本の中でも、兵馬俑は重要な役どころで登場します。
術をかけられた兵馬俑が地中深くから目覚めて動き出すのです。
昔から言われていますように、目鼻口があるものは大切に扱うこと、人形は必ず1年に1回は表に出してあげることです。
これは本当に大切なことです。
家庭の事情等で人形をこのようにお世話出来なくなりましたら、人形供養に出すべきでしょう。心からの感謝と「今までありがとうございました」の言葉で送り出すことがお互いにとって良きことでしょう。
聞いたことありませんか?
人形や目鼻口のあるものには念がこもりやすく、また身代わりになってくれるということを。
例えば、6月末の神事、夏越しの大祓(なごしのおおはらえ)では、人の形の紙に名前と年齢を記入し、息を吹きかけた後、全身を撫で、自身の罪穢れをうつし祓い清めてもらいます。
そして20年程前の展覧会で私は、記念に兵馬俑の小型レプリカを2体購入して帰りました。
現在、その兵馬俑たちは、凛々しくキリリとしたお姿で、カードリーディングする私を見守ってくれています。
実のところ、夜な夜な2体の兵馬俑は目をさまし、目を光らせ、家の中をくまなくパトロールしてくれている、そのような気がしているのです。
本物の兵馬俑をあなた自身の目で確かめてみてはいかがでしょうか。
もしかしたら、兵馬俑と「目が合う」経験が出来るかもしれませんよ。
★ 巡回展 兵馬俑と古代中国~秦漢文明の遺産~
2022年3月25日〜5月22日:京都市京セラ美術館
2022年6月18日〜8月28日:静岡県立美術館
2022年9月10日〜11月6日:名古屋市博物館
2022年11月22日〜2023年2月5日:上野の森美術館
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